公益財団法人五島記念文化財団

優れた人材の発掘と育成を通じ豊かな社会の実現のお役に立ちたい

海外研修成果発表のご紹介

土屋 公雄 美術新人賞研修帰国記念 個展

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土屋 公雄 美術新人賞研修帰国記念 個展の模様 土屋公雄―虚構と記憶―
青野和子(原美術館)

1955年に生まれた土屋公雄が本格的な作家活動を始めたのは、1980年代半ばのことであった。大学で建築を専攻した彼は、81年から約2年間イギリスに渡る。そこで出会った人々の自然観や歴史観に触れ、私たち日本人が幸福な高度成長の名のもとに忘れ去っていた足元の自然に目を止めたのがきっかけで、流木や石、鉄屑などを拾い集め、再構築する仕事を始めたのである。
これまでの土屋の作品タイトルを抜粋し振り返ると、「沈黙」「古代の雨」「顕現」「不在」「月」「所在」「来歴」「落日」と続く。そこには作家自ら来し方行末、すなわち自分自身のアイデンティティーの在処の追求と、自然の循環の中で輪廻する時間という大きな物語の二つが内包されているのが見てとれる。作家は近年、解体家屋の廃材からさらに、すべての生成物を焼き尽くしたあとになお残る、灰へと素材を拡張していった。森も家も私たち人間の肉体までもが、いずれは同じ灰になってゆくのはだれもが知っている真実である。以前は、灰を床に敷いて解体した家屋の影を形作り、そこに例えば〔1974―1993〕といった風に、その家の歴史を刻印する作品を発表していたが、最近は灰そのものを提示する作品へと展開を見せている。
灰は廃材ほどに饒舌ではないが、そこには一切の装飾をそぎおとした、ミニマルな美が存在する。土屋は灰について「物質の終焉ではなく、マテリアルが繰り返し焼かれる事で、物質の存在から非存在へと揺れ動く。さらに焼き尽くし限りなくゼロの地平に還元されてゆくその灰は、そのものが機能していた時間性(歴史と記憶)の意義をより根源的なレベルで問いかけている。」と語っている。(寄稿より)

土屋 公雄 プロフィール

土屋 公雄 美術新人賞研修帰国記念 彫刻

日時平成8年2月9日(金) ~ 5月19日(日)
場所原美術館(品川・御殿山)

 

平成7年度 海外研修成果発表のご紹介

土屋公雄(美術) 個展
日時平成8年2月9日(金)~5月19日(日)
場所原美術館(品川・御殿山)
塩田美奈子(オペラ) ソプラノリサイタル
日時平成7年9月3日(日)
場所Bunkamura オーチャードホール
松本秋則(美術) 個展
日時平成7年9月1日(金)~29日(金)
場所ストライプ・ハウス美術館(六本木)
足立桃子(オペラ) トーク・コンサート
日時平成7年7月21日(金)
場所王子ホール(銀座)
松井紫朗(美術) 個展
日時平成7年7月3日(月)~29日(土)
場所東京画廊(銀座)
柳沢正人(美術) 個展
日時平成7年6月19日(月)~24日(土)
場所資生堂ギャラリー(銀座)

 

五島記念文化財団では、「優れた人材の発掘と育成を通じて真に豊かな社会の実現にお役に立ちたい」という五島会長の遺志を継承し、芸術文化の分野の発展、向上に資するため、有能な新人及び地域において創造的で優れた芸術(主にオペラ並びに美術)活動を行っている方々の顕彰助成を行っております。