公益財団法人五島記念文化財団

優れた人材の発掘と育成を通じ豊かな社会の実現のお役に立ちたい

海外研修成果発表のご紹介

吉賀伸 美術新人賞研修帰国記念 

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吉賀伸 美術新人賞研修帰国記念 の模様 吉賀伸の近年の仕事は、不確かな形を追い求め、ますます大きくなってきた。それは、表現者としての本質的な部分からきているのだろう。つまり、とらえきれないものをつくりつづけることで、自らの情念を動かす、その何かに迫るという方法である。

今回出品される大作のモチーフは、火と雲である。地を走る炎、夏の空にわき起こる入道雲、あるいは雷雲。はたしてどれも決まった形があるようで、実際にはない。具体的なものを表現してはいるのだけれど、そこにはイメージが存在するだけである。それらの作品は影のようなものであり、彫刻と呼ばれるもの、あるいは美術の本来的な姿でもある。

それぞれの作品は、多くのパーツからなる。いくつものパーツが全体を作り上げる。これは吉賀の術が陶によるからだ。土をこね始めてから焼き上がりまで、いくつもの手順があり、職人的な技術も必要で、それゆえ時間がかかり、何より他人にゆだねる部分がない。彫刻だとそうはいかない。たとえば、伝統的だと考えられるブロンズ像にしても、その鋳造を作家本人がおこなうことはない。

すべてが自らの手によるということは、今日の美術を巡る状況と一線と画すものであるかもしれない。コンピューターなどの機械がその表現の多くを担う美術が、今日の主流のようであるけれども、それは一歩間違えれば、影が影をつくっているようなものになる。新しい古いということではなく、また良いとか悪いとかの問題でもなく、何に根ざすのか、ということを問えば、そういうことだ。

陶であるけれど、吉賀の作品は彫刻的だ。このモニュメンタルな大きさは、彫刻家の思考であり、志向である。この量塊が私たちに問いかける、あるいは迫ってくる、その力こそが、彫刻のもつ魅力である。妖しい輝きだけが、陶という出自を漂わせている。

寺口淳治
広島市現代美術館 副館長

吉賀伸 プロフィール

日時2014年8月6日(水)~8月18日(月)
開場午前10時~午後8時
場所日本橋高島屋6階美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
TEL:03-3211-4111(代)
企画協力アートシード

 

平成26年度 海外研修成果発表のご紹介

鬼頭健吾(美術) 現代美術
日時(1) 平成27年1月16日(金)~2月28日(土)
(2) 平成27年1月24日(土)~3月22日(日)
場所(1) ケンジタキギャラリー(東京)
(2) 群馬県立近代美術館(群馬)
塩保朋子(美術) 現代美術
日時平成27年1月16日(金)~2月21日(土)
場所SCAI THE BATHHOUSE(東京)
田尾下哲(オペラ) 演出
日時平成26年11月22日(土)・23日(日)・24日(月)・26日(水)
場所日生劇場(東京)
吉賀伸(美術) 彫刻
日時平成26年8月6日(水)~8月18日(月)
場所日本橋高島屋6階美術画廊X(東京)
上江隼人(オペラ) バリトン
日時平成26年7月31日(木)
場所紀尾井ホール(東京)

 

五島記念文化財団では、「優れた人材の発掘と育成を通じて真に豊かな社会の実現にお役に立ちたい」という五島会長の遺志を継承し、芸術文化の分野の発展、向上に資するため、有能な新人及び地域において創造的で優れた芸術(主にオペラ並びに美術)活動を行っている方々の顕彰助成を行っております。